2019/11/19
物理的な身体構造の概論と、知っておくべき神経の種類
ボディメイクコラム
身体の構造と、神経の種類
今回は身体構造の概論と、必要な神経の種類を知ることにより、物理と精神の相互作用をお伝えしたいと思います。
出来るだけ簡単にしたつもりですが、単語に漢字が多いため難しく見えてしまうかもしれません。根気よくお付き合い頂ければ幸いです。
【身体のハードとソフト】
身体の構造をシンプルに分けると、「硬い部分」と「柔らかい部分」に分かれます。
硬い部分は「骨」です。柔らかい部分はそれ以外の「組織や器官 (筋肉、脂肪、内臓)」などです。骨や組織・器官とは別に、身体の大半を占めている物がありますが、これは「水分」です。水分が身体の大半70%を占めていることは有名ですね。血液やリンパなどもここに属します。故に、骨とその他の組織や器官が残りの30%という物理的比率になることも理解できるでしょう。
このことから、身体の構造を示す場合、「硬い部分」「柔らかい部分」「水分」の3つで表現する事が出来ます。ハードとソフト、そして・・・気付かれた方がいるかもしれませんが、水分(水)は、柔らかいだけではなく、温度など条件によっては氷となり固くもなれば、圧力を利用して水を噴射すれば鉄でさえ切断する事が出来ます。または蒸発気化すれば、湿気となり、見えなくなり、姿を隠すこともあるのです。「物」として解釈する場合、氷ならば「物」と言い切れますが、水が物かと言われると少し違った感覚になるのではないでしょうか。さらにその水が蒸発気化すれば、言わずもがな、物ではなくなります。「水分」は物理的解釈において、少し、特別な位置づけになります。ハードとソフトを繋ぐ架け橋でしょうか。
【神経について】
意思が発生する場所は基本的に「脳」です。脳が「神経」を通して信号・指令を送ることで、身体を動かすことができます。実際に人間が物理的に動いている現象は、この段階を経ているという事になります。
神経にはたくさんの種類があり、大きな区分けでは10種類程ありますが、ここでは複雑にならないように「4つの神経」を取り上げて解説します。この4つを理解できれば十分です。
【運動神経・感覚神経・交感神経・副交感神経】
ピックアップする4つの神経は「運動神経、感覚神経、交感神経、副交感神経」と呼ばれるものです。
-運動神経・感覚神経-
まずは「運動神経と感覚神経」についてです。自らの意思において脳から信号・指令を送り、身体を動かす、この神経機能がいわゆる「運動神経」です。運動神経と対極の関係にあるのが「感覚神経」です。これは、何かを触って温かく感じたり、冷たく感じたり、たくさん歩いて脚の筋肉が疲れたと感じたり、足の小指を角にぶつけて痛いと感じたり、温泉に入って気持ちいいと感じたり、感覚を受け取る神経のことです。二つをまとめて末梢神経と呼びます。
運動神経は「送信システム」、感覚神経は「受信システム」ということになります。
-交感神経・副交感神経-
次に「交感神経と副交感神経」についてです。スポーツや勉強をする時に集中する、怒りや喜びの場面で興奮する、映画や舞台、写真を観て感動する、音楽を聴いて感動する、この神経回路が交感神経です。分かりやすい感覚としては、心臓がドキドキしている時です。
交感神経と対極の関係にあるのが「副交感神経」です。副交感神経は、ごはんを食べて消化活動をしている時、眠たい時、リラックスしている時、この神経回路が副交感神経です。分かりやすい感覚としては、ボーっとしている時です。
この2つをまとめて「自律神経」と呼びますが、漢字の如し、自ら律している神経です。“自ら”というのは、自らの意思による信号や指令ではなく、意思とは無関係に神経自体が独立して機能していることを指します。例えば、心臓は動かそうと思って動かしていないし、息をしようと思って呼吸をしているわけではありませんし、ご飯を食べたら消化しようと思って胃酸を出している訳ではありません。生命活動に必要な基盤は、自律神経が意思とは無関係に、外的要因の影響を受けて、自立して脳と情報のやりとりをして成り立っています。先述したように外的要因の影響は受け、嬉しい時、悲しい時、感動した時、寒い時、暑い時、心臓がドキドキしたり鳥肌が立ったりして、身体の内側や外側に物理的現象を引き起こしていると言えます。
自律しているが孤立している訳ではないのです。
以上のことから、末梢神経と自律神経の違いは、人が「意図しているか」「意図していないか」ということになります。
また、交感神経の説明にあった「映画や舞台を観る、写真を観る、音楽を聴く」。このことは感動もしますが、作品によってはるリラックス(副交感神経)することもあります。ということは、文化的作品がどちらにも成りえる特別な位置付けであることが示唆できるでしょう。
【まとめ】
物理的な身体の構造についてはここまで説明した内容を理解して頂ければ十分です。医療職や専門職でもない限り、血液成分値や内分泌系、運動科学の知識を深堀りしても逆に混乱するだけであり、それは本質ではありません。自分の身体を見たり触ったり感じたりしながら、当項の内容を照らし合わせイメージして頂ければ十分です。
身体はこんな形をしていて、ハード・ソフト・水分の3つによって構成されており、各神経の伝達により人の動きを引き起こしている。